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3 膜分離型小型浄化槽の現状と課題
矢橋 毅 財団法人 日本環境整備教育センター 調査研究部

1.膜分離型小型浄化槽の構造・特徴
 現在,国土交通大臣の認定を取得している膜分離型小型浄化槽は3種類(4社)である(表).このうち,KM型およびFM型は膜分離型小型浄化槽としては初めて,1999年に国土交通大臣認定を取得し,これまで約500基が設置されている.一方,MB型は2005年に国土交通大臣の認定を取得したものである.TMG型は,既設の単独処理浄化槽の合併化装置であり,単独処理浄化槽に後置するタイプである.


表1 膜分離型小型浄水化槽の概要


1.1 膜分離型小型浄化槽(図1)
 KM型およびFM型はBOD・窒素除去型(BOD 5mg/L以下,T-N10mg/L以下)で,脱窒素槽(流量調整部)と硝化槽を組み合わせ,硝化液が循環する硝化液循環方式が採用されている.膜モジュールは硝化槽に浸漬され,余剰汚泥は汚泥濃度調整槽に貯留される.有効容量は2.6?4.0m3(処理対象人員5?10人)である.


図1 膜分離型小型浄化槽のフローシートおよび膜モジュールの概要

図1 膜分離型小型浄化槽のフローシートおよび膜モジュールの概要

  一方,MB型はBOD除去型(BOD 5mg/L以下)であり循環は行っていない.膜モジュールは膜分離槽に浸漬される.余剰汚泥は膜分離槽から固液分離槽に移送されるが,一部は膜分離槽において貯留される.有効容量は2.2?4.6m3(5?10人)である.
 膜モジュールは,平膜エレメントの場合,上端に集水部を有するフレームに2枚の平板状の膜(ポリオレフィン製,孔径0.4μm)を貼り付けた構造である.透過水は2枚の平膜の外側から内側に向かってろ過され,集水部より排出される.膜ケースにこのエレメントが10枚(有効膜面積約8.0m2)と底部には散気管が取り付けられている.ろ過は吸引ポンプによる連続ろ過である.脱窒素槽に設けたフロートスイッチによりポンプの運転・停止を制御している.定流量弁を組み合わせて透過流束を一定としているため,膜の閉塞に伴い吸引圧力が上昇する.
 これに対し,管状膜エレメントは,平膜エレメントに用いられている膜を直径約11mmの管状に丸めたものである.膜モジュールは管状膜エレメントを約625本(有効膜面積約10.9m2)組み合わせたもので,そこに散気管および汚泥分散用のネットが設置された案内筒が取り付けられている.透過水は各管状膜の内側から外側へ向かってろ過された後,エアリフトポンプにより消毒槽へ移送される.ろ過は膜分離槽とろ過水出口の水頭差による重力ろ過方式が採用されている.膜分離槽の水位によってろ過水量が異なるため,膜の閉塞は膜分離槽の水位とろ過水量の関係から判断する.
1.2 既設の単独処理浄化槽の合併化装置
 TMG型は、既設の単独処理浄化槽を夾雑物除去槽(ポンプ槽)として使用し,ばっ気槽(膜分離装置)と消毒槽を付加する方法である(図2).処理対象人員6人以上については汚泥貯留槽も付加される.付加装置は既設の単独処理浄化槽から離れた位置に設置することが可能なため,敷地面積が有効に利用できる.通常,水洗便所汚水と生活雑排水は共に既設の単独処理浄化槽へ流入させるが,既設の単独処理浄化槽が使用できない場合には,別途流量調整槽を設置することもできる.使用されている膜モジュールはKM型およびFM型に採用されている平膜と同一である.流量調整槽を除いた有効容量は0.8?1.5m3(処理対象人員5?10人)である.



図2 TMG型のフローシート

図2 TMG型のフローシート

2.膜分離型小型浄化槽の課題
 膜分離型小型浄化槽は生活排水の高度処理を推進する上で大いに期待される装置であるが,現状ではあまり普及していない.この理由として,(1)各種制御機器や膜モジュールなどの設備が多く,装置の価格が高い (2)膜の交換費用や電気代等の維持管理費が高い(3)従来型の小型浄化槽と異なる維持管理技術が必要である (4)高度な処理水質が要求されない場合も多い,などが考えられる.
 費用の問題に対しては,膜部分のコストダウンやできるだけ長期間使用できる膜の開発等が必要となる.また,膜の交換頻度や費用を明確に示すとともに,膜の供給体制を確立することや膜をリース扱いにする等,設置者に対して負担をかけない対応が必要である.
 維持管理については,従来型の小型浄化槽とは異なる技術が必要となるため,維持管理業者に対する技術の伝達を十分に行っていく必要がある.


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