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特集のねらい [京都議定書の発効と地球温暖化]
坂東 博 大阪府立大学大学院工学研究科
ロシアが批准したことを受けて本年2月よりいよいよ京都議定書が発効することとなり、2008年から2012年の第1約束期間中に達成することが義務付けられている削減目標に向けて先進各国が実効のある具体的な行動をとり、義務を果たさなければならないこととなった。
 温暖化防止対策の中心的課題はやはりCO2排出の低減である。その実現を図ろうとする際に直面する困難は、CO2排出の原因が社会・経済活動の基盤であるエネルギー資源に直接係わる問題であるために、単にエネルギー資源の利用効率の改善やエネルギー資源の新規開発による多角化によるCO2排出低減といった技術的な側面での課題克服の問題にとどまらない。経済発展や物質的豊かさの享受といった個(国民=有権者)の欲望と充足と対策(政策)との折り合いのレベルから、国家同士間の排出量取引や発展途上国によるクリーン開発メカニズム(CDM)をてこにした先進技術導入や経済発展志向、さらには国としてのエネルギー安全保障の確保など国家としての戦略レベルまで、極めて多方面の課題を見通し調整した政策や国家戦略を必要とする。温暖化問題はこれまでの地球規模環境問題、酸性雨やフロンによるオゾン層破壊問題など、に比べると、問題の影響が及ぶ範囲ならびに原因物質の使用削減・代替化に伴う社会・経済的負担の及ぶ範囲は格段に広く、個レベルであれ国家レベルであれ利害の調整から合意形成に至るまでには多大の努力が必要であろうことは容易に想像がつく。
 そこで、実効ある温暖化対策の枠組みとはどのようなものであるべきとみなされているか、また具体的には各国、とりわけ経済成長の著しいアジア地域を巻き込んだ(CDM等の利用を含め)議定書批准国の取り組み状況はどのようなものか、それらは全世界的な調整なしのバラバラの取り組みで実効性は期待できるのか、といった対策上の課題について概観し、また現在考えられている温暖化対策およびその背景にある温暖化影響予測の現状を概観してもらおうとの趣旨で、本特集では3人の専門家の方々にご執筆いただいた。
  今回、温暖化特集のねらいについて書くにあたり、3つの原稿を拝読させていただき気付いた点をここに述べさせていただく。温暖化の影響評価および温暖化対策を専門に研究されている3人の原稿に共通する点として、これらの研究分野では議論の中心がすでに第1約束期間(2008?2012年)以降に移っているらしいことである。長期的展望に立ち腰を据えた研究と議論が必要な分野であることに改めて気付かされる。
  上にも述べたように、今回の特集の企画段階では本年初頭の京都議定書の発効を受けて、第1約束期間の達成目標実現のための対策およびその背景にある温暖化影響評価の現状に対する興味が中心にあってこの企画を立案したことを正直に告白しなければならない。考えてみれば、そのような議論は京都会議においてもすでに各国レベルでは十分に検討・議論され尽くしていたはずであろう。そうでなければ、自国の利益擁護の利害がぶつかり合い熾烈を極めた交渉を行うはずの国際政治の場で批准各国が議定書を批准することなどあり得ないであろう。そのような観点から過去を振り返って我が国の温暖化問題の関連事項の推移を思い返してみても、我が国ではそれだけの検討・議論を尽くし、国家としての明確なヴィジョンの下で国家戦略を持った上で京都議定書を批准したと言えるであろうか?京都会議以降今日までの我が国のCO2総排出量の増加という結果は、この疑問に対する明確な答えであろう。


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