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2 膜を利用した小型浄化槽
本田和之 株式会社クボタ 

1.膜分離活性汚泥法の特長と利点
 膜分離活性汚泥法の長所としては、(1)設置面積が小さい、(2)活性汚泥濃度1?1.5%程度で運転するため汚泥濃縮が不要、(3)ろ過圧力と活性汚泥濃度の監視が主な管理項目であるため維持管理が比較的容易、(4)流入汚水の負荷変動に強い、(5)水質が極めて良好で透明度が高く安定している、(6)大腸菌やクリプトスポリジウムなどを阻止できる、などがあげられる。
 短所としては、(1)小規模の浄化槽や高度処理以外の用途で採用する場合は、イニシャルコスト、ランニングコストとも割高である、(2)計画汚水量を大幅に超える場合の対応が難しく、極端に流入水量の変動が大きい用途には向いていない、(3)運転開始時から規定の活性汚泥濃度を確保する必要がある、などがあり、今後の研究課題である。

2.膜の種類について
 生活系の排水処理で用いられている膜は、主に中空糸膜と平膜の2種類である。浄化槽で一般的に使われる膜の位置づけは図1に示す通りであり、精密ろ過膜に分類され、通常0.1?0.4μmの穴径である。日本で最も一般的な膜を比較した場合、中空糸膜も平膜も公称の穴口径は0.4μmであり、ほぼ同じスペックになっている。

図1 浄化槽で使われる膜の位置づけ
図1 浄化槽で使われる膜の位置づけ

3.膜分離活性汚泥法の原理
 膜分離活性汚泥法は、活性汚泥で処理した水を膜でろ過して処理水を得るという処理方式である。ろ過の方法としては、図2に示すクロスフロー型のろ過が採用される。最近は、ばっ気槽内に直接ユニットを設置し、ばっ気に必要なエアを利用して膜面のクロスフローを生成させる方式が主流となり、以前に比べると大幅に動力費が低減されてきている。

図2 クロスフローろ過の概念図
図2 クロスフローろ過の概念図

4.実用化された小型膜分離浄化槽の例
4.1 株式会社クボタKM型、第一公害プラント株式会社FM型
 株式会社クボタのKM型とそのOEM製品であるFM型は、家庭排水のピーク流入を吸収するために、5人槽で613L、7人槽で811L、10人槽で1,112Lと大きめの流量調整部を有している。処理のフローは図3の通りである。

図3 KM型・FM型のフローシート
図3 KM型・FM型のフローシート

 採用している膜は平膜(液中膜)であり、処理性能はBOD5mg/L以下、COD10mg/L以下、SS5mg/L以下、T?N10mg/L以下となっている。ろ過は自吸式ポンプを用いて行い、脱窒素槽に設けたフロートスイッチによりポンプの運転・停止を制御している。制御はプログラマブルコントローラーを採用した制御盤で行い、負荷の違いに対応できるように3つの運転モードを持ち、プログラムの書き換えも可能である。

4.2 東海メンテナンス株式会社TMG型
 TMG型は、既設の単独浄化槽を流量調整槽として使うことで、既設の単独浄化槽を合併浄化槽に転換できる装置である。採用している膜は平膜(液中膜)であり、処理性能はBOD5mg/L以下である。維持管理と一体となった販売体制で、性能保障がつけられている。処理のフローは図4の通りである。

図4 TMG型のフローシート
図4 TMG型のフローシート

 半地下型の浄化槽であり、維持管理性を重視した構造となっている。ろ過は自吸式ポンプ用いて行い、ポンプは制御盤とともに本体壁面に取り付けられている。汚泥貯留槽がオプションとして用意されている。流量調製槽と本体が別の槽となっているため、設置する時のレイアウトの自由度が高い。

5.環境省の維持管理ガイドライン
 処理対象人員が5?10人の膜分離型浄化槽には、維持管理のガイドラインが定められている。保守点検頻度は3ヶ月に1回以上、清掃頻度は6ヶ月に1回以上とされ、清掃は保守点検後1週間以内に行うこととされている。膜の薬品洗浄の頻度は6ヶ月に1回以上と定められている。初回の保守点検は使用開始前1週間以内に行うこととされ、この時に種汚泥を投入するように決められている。
 ガイドラインには、一次処理装置、生物反応槽、膜分離装置、汚泥貯留設備、消毒槽などの単位装置ごとに、それぞれ想定しうる装置に関しての維持管理方法が示されている。

参考文献
 北尾高嶺 監修:膜利用生物反応槽による排水処理(2003)


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