燃料電池
APEC環境技術交流バーチャルセンター
English Japanese
地球を救おう。未来を救おう。
HOME 環境技術情報検索 特集 注目のキーワード
フリーワード検索
検索
特集〜注目技術をカテゴリー別でご紹介
注目のキーワード〜今話題のキーワードとは
注目のキーワード
【燃料電池】

本間琢也
筑波大学名誉教授
燃料電池開発情報センター顧問

 燃料電池とは、燃料の持つエネルギーを、燃焼させることなく、電気化学的酸化・還元反応によって、直接電気と熱に変換するデバイスであり、したがって、燃料電池の発電効率は、カルノーサイクル効率(Carnot cycle efficiency)の制約を受けることはなく、原理的には高い発電効率を得ることが可能である。また、蓄電池との相違点は、反応に関与する活物質が、電池内部に保存されるのではなく、外部から供給される点にある。

 燃料電池の原理は今から150年以上前、イギリスの物理学者で裁判官であったウイリアム・グローヴ(William Grove)によって発明され、1838年にセルによる実証実験によってその原理が示された。グローヴの創った世界最初の燃料電池は、硫酸溶液の入った容器の中に2本(1対)の白金電極を挿入した構造で、2本の電極を各々酸素および水素を導入した電極室に封入して互いに分離(シール)すると、外部回路に電流が流れる仕組みになっている。したがって、燃料電池は機械的な可動部分を持たない点においても特徴を持つ。グローヴによるこの発明以来、100年以上の年月が経過したが、最近になって燃料電池自動車や定置式発電およびポータブル電源としてようやく実用の域に達しようとしている。

燃料電池の基本的単位であるセルは、3つの主要なコンポーネントから成り立っている。それらはカソード(空気極)、アノード(燃料極)、および電解質であり、発電器として動作させるためには外部回路(負荷)が必要である。一般的には、カソードでは酸素が水素イオンと電子を受け取る還元反応によって水を生成し、アノードでは水素分子が水素イオンと電子に分かれ、電解質は水素イオンの通路としての役割を果たしている。電解質を流れるイオンと、外部回路を流れる電子電流によって、電気的な閉回路が形成される。電極間電圧(起電圧)、すなわちセル電圧は1V以下のため、多数のセルを電気的には直列に接合して組み立てられたモジュールが実用上の単位であり、これはスタックと称されている。
.
燃料電池は電解質の種類によって分類される。それらは固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)、アルカリ型(AFC)であり、それに加えて燃料としてメタノールを直接使うメタノール燃料電池(DMFC)が存在する。

PEFCは、イオン交換膜を電解質膜として使うタイプであり、動作温度は他の多くの燃料電池に比べて低く、80?90℃で動作する。現在自動車用エンジンおよび家庭用コージェネレーションシステムとしての実用化が期待されており、商用化が進められようとしている。PAFCは出力50?200kW級において既に実用化された機種であり、電解質としてリン酸(H3PO4)を使い、動作温度は一般に150?250℃である。MCFCは、電解質としてLi2CO3やNa2CO3のような溶融炭酸塩の混合媒体を使うタイプであり、混合塩は動作温度650℃において高いイオン導電性を示す。SOFCは電解質としてセラミックス、代表的にはイットリア安定化ジルコニアを使う機種であり、動作温度は700?1,000℃で燃料電池の中では最も高温動作の機種である。SOFCおよびMCFCは通常の火力発電プロセスと組み合わせてコンバインドサイクルを構成することにより、60%にも達するような高い発電効率を実現することができる。AFCはポーラス状のマトリックスに保持された水酸化カリウム(KOH)を電解質として使う機種で、比較的低温で動作する。最も安価でかつ効率の高い燃料電池ではあるが、CO2雰囲気ではセルの性能が劣化するため、利用は宇宙船用電熱源などに限られ、地上では使用されていない。

 燃料電池システムは、機種や利用目的によって異なるが、典型的には電池スタック、燃料処理装置(改質器)、インバーター、熱回収装置、計測・制御装置、圧縮機から構成される。改質器は天然ガス、プロパンガス、軽油などの化石燃料を、水素ガスを高濃度に含む改質ガスに変換し、不純物を除去して水素の純度を高める役割を果たす。


前のページ
バイオマス
コンテンツのトップ 次のページ
医薬品の水環境への影響
| APEC-VC概要 | 海外VCの紹介 | 問い合わせ | サイトマップ | プライバシーポリシー
Copyright<C)2007 Apec Virtual Center, Japan. All rights reserved.